昨日はわかりやすく元カノを寝取られる夢を見た。元カノを寝取られるという表現はおかしいだろうが、実際俺の中に湧き上がってきた感情は寝取られと呼ぶに相応しい物だったと思う。寝取られの現場-確かそれは接吻だった-に遭遇した俺は、真っ先に間男の元へと駆け寄り、胸ぐらを掴み、頬を拳骨で殴打した。相手は中学時代の同級生の男だった。その男の存在はしばらく忘れていたが、確かに俺が内心で敵意を抱いていた、気に食わない男の一人であった。
殴った後の記憶はあまりない、夢はそこで途切れたのかもしれない。
俺がこんな夢を昨日見た理由ははっきりしている。それは元カノに昨晩電話をかけて少しの時間話したからだ。俺は彼女に近況を話し、彼女の近況も尋ねた。だが、話が上手い具合に弾むことはなく、終いには電話の切り際に「また話そうよ」と伝えたら、「俺をブロックしようか迷ってる」とまで言われる始末であった。
このセリフは存外こたえた、無論それはブロックというのがあまりにも明確な拒絶に感じられたからだ。この頃は彼女に拒絶されていることからなんとか目を背けるべく、マッチングアプリを再開するなどしているが、どうにも一度信頼した人間から人格を否定されることの傷は深いようで、そう簡単に立ち直ることはできなさそうだ。